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専門外来の紹介

腎移植外来

◆火曜日 午前、午後 担当医:丸井祐二
◆水曜日 午後 担当医:佐々木秀郎
◆土曜日 午前 担当医:交代制

腎移植を希望される方、および、腎移植を受けられた方(レシピエントといいます)の通院のための外来です。腎臓を提供された方 (生体腎移植ドナーの方)の術後の定期検診も行います。腎臓内科と密に連携を取り、移植コーディネーター、薬剤師とともに、腎臓内科と腎泌尿器外科両者の視点できめ細かい診療を行っています。また、献腎移植の待機登録、および更新のための診察も行っています。慢性腎臓病と、ご本人やご家族がお聞きになり、将来のご不安を感じられている方にも、透析を含めたすべての腎代替療法についてご説明できる体制をとっておりますので、お気軽にご相談ください。透析アクセスや、長期透析合併症である副甲状腺手術については、【腎不全外科外来】をご覧ください。
 腎移植について、以下に解説いたしますので、腎移植をお考えの方、透析中の方のご参考になれば幸いです。
 腎不全が進行すると、何らかの方法で腎臓の働きを補う必要が生じます。この治療のことを腎代替療法と呼び、血液透析、腹膜透析、腎移植のいずれかを行います。(当院では、これら3つの腎代替療法についての説明を、腎臓内科医とともに詳しく説明させていただいたうえで、患者さまと一緒に、最適な治療法を決めていくように心がけております。)このうち腎移植は、失われた腎機能のすべての働きを回復することができる治療法ですので、最も優れた腎代替療法といえます。一方で、2つの透析と大きく違う点として、①全身麻酔の手術が必要、②腎臓の提供者(ドナー)が必要、③生涯にわたる免疫抑制剤の内服が必要、④腎移植を受けるのは70歳くらいまで、といったことがあげられます。すなわち、おおきな全身麻酔の手術である腎移植を安全に受ける上で、現在治療中の病気や心機能の状態が支障をきたさないことと、悪性腫瘍や感染症は免疫抑制剤により悪化してしまうため、安全に腎移植後の管理が可能な病態であるかの確認が必要です。もちろん、腎を提供するドナーがいていただくことで、腎移植は成り立ちます。
 腎移植のために、亡くなられた方か、生きている方がドナーとなっていただく必要があるのですが、前者による移植を献腎移植、後者の場合を生体腎移植と呼んでいます。献腎移植を受けるためには、国内唯一のあっせん機関である日本臓器移植ネットワーク(以下ネットワーク)に申請して、献腎移植待機登録をする必要があります。献腎移植は、ネットワークに適切と認定され、登録された施設(会員施設といいます)でしか行えませんので、希望施設の腎移植担当科(当院であれば腎泌尿器外科)をまず受診し、献腎移植を受けるための条件などの説明、および診察と必要な検査を受けることで登録が完了します。神奈川県内の会員施設は、当聖マリアンナ医科大学病院を含め6つの施設があります。詳細は以下をご参照ください。
 「日本臓器移植ネットワーク
 もうひとつの方法が、親族の方からひとつの腎臓を提供していただく、生体腎移植という方法です。日本移植学会規定により、生体腎移植ドナーになることができるのは、6親等以内の血族と配偶者、3親等以内の姻族である親族とされています。腎不全が進行した親族に対して、情愛の念から健常なひとつの腎臓を提供したいという尊いお気持ちが、生体腎移植の礎です。腎臓は、大きさが握りこぶしくらいで、おなかの中央やや背中よりに通常2つあり、いつもは余裕を持って働いてくれています。このうち、ひとつの腎臓を提供しても、もうひとつの腎臓の働きが十分で、生活に支障なく、その後期待される寿命まで健やかに過ごしていけるかどうかをしっかりと見極められた方のみ、生体ドナーとなっていただくことができると、我々は考えています。ですから、もともと腎臓に病気がないか(多くは検尿での明らかな異常で発見されます)、腎機能を将来悪化させる要素(糖尿病や治療されない高血圧、尿路結石、繰り返す腎盂腎炎)がないかをしっかり調べる必要があります。また、せっかくご提供いただいても、レシピエントが拒絶反応を起こす可能性の高い組み合わせ(クロスマッチ試験陽性)では、1~数年以内に、拒絶反応により移植腎が機能しなくなってしまう可能性が高く、ドナーとなることをお勧めできません。ABO血液型については、現在ほとんどの方が血液型に関係なく(不適合という組み合わせ注1であっても)、生体腎移植を受けていただけるようになりました。また、移植することにより、ドナーの方の悪性腫瘍や感染症がレシピエントに移ってしまわないかも、事前の確認が必要です。これらのことをご理解いただきつつ、外来、入院での検査を進めて生体腎移植の準備を整えていきます。

注1)ABO血液型では、輸血が通常は同じ型での組み合わせで行われるのに加え、腎移植では、O型ドナーからすべての血液型のレシピエント、A型およびB型のドナーからAB型へレシピエントの組み合わせを適合といいます。これ以外の組み合わせを、不適合と呼んでおり、2000年頃より不適合生体腎移植が安全に行われるようになってきました。文中のクロスマッチ試験は、ABO血液型とは別の検査になります。

膀胱腫瘍外来

◆火曜日午後 担当医:菊地栄次、早川望

 膀胱腫瘍、上部尿路腫瘍 (腎盂・尿管癌)を中心に診療しています。とくに手術後の経過観察、膀胱内注入などの補充療法を行っています。
 膀胱腫瘍の診断の流れは、画像検査を施行した後に、入院の上、膀胱粘膜生検、内視鏡を膀胱内に挿入し、膀胱腫瘍を切除する、経尿道的膀胱腫瘍切除術を行います。またCT urography、MRIなどを用いて、術前の膀胱腫瘍の病期診断に役立てています。経尿道的膀胱腫瘍切除術は治療手段であると同時に、病理組織学的診断にも重要です。病理組織学検査において組織構築、異型度、深達度が判明します。組織構築から尿路上皮癌(移行上皮癌)、扁平上皮癌、腺癌などに分類されます。大部分は尿路上皮癌です。異型度(grading)は低異型度と高異型度の2段階で評価され、高異型度は細胞異型が強く、いわゆる悪性度が高い所見です。深達度は膀胱腫瘍がどこまで深く達しているのかを示しています。Ta(腫瘍が粘膜にとどまっているもの)、T1(粘膜の下の層、粘膜固有層に達しているもの)、T2(筋層に及んでいるもの)、T3(膀胱の周囲の脂肪にまで及んでいるもの)、T4(隣の臓器に腫瘍が及んでいるもの)に分けられます。これらの情報から大きく分けて筋層非浸潤性 (表在性)膀胱腫瘍と筋層浸潤性膀胱腫瘍の2つのタイプに分けることができます。
 筋層非浸潤性膀胱腫瘍に対しては経尿道的膀胱腫瘍切除術後、上記の情報をもとに補助療法を行います。その多くはBCG、抗癌剤の膀胱内注入療法です。膀胱内注入導入療法は週1回6~9週続けて行われます。腫瘍が膀胱粘膜をはうように発育する特殊なタイプである、上皮内癌もBCG治療によく反応します。筋層非浸潤性膀胱腫瘍の問題点として再発が比較的頻回に起こることと、病期進展(腫瘍がより深くに浸潤してしまうこと)が起こりうることの2点があります。早い段階で再発、進展を発見することはその後の治療に大きく影響します。当膀胱外来では軟性膀胱鏡を用いて定期的な膀胱内観察を行い、早期再発・進展の発見に努めています。
 筋層非浸潤性膀胱腫瘍で再発が頻回に繰り返される症例やBCG治療が施行されるも効果を認めない上皮内癌症例、また膀胱筋層まで癌が及んでいる筋層浸潤性膀胱腫瘍は膀胱を摘出する膀胱全摘術が標準的に行われます。膀胱を摘出した場合は尿路変向術が必要となります。当院では新しく膀胱を腸で作り、尿道につなげ、自身で排尿を可能にする自排尿型、回腸の一部で、尿を人工肛門に導き排出させる回腸導管、一時的に尿を貯めることができるパウチを腸で作り、人工肛門を通して一定時間に尿を排出する自己導尿型の尿路変向を行っています。

腎不全外科外来

◆月曜日午後 担当医:丸井祐二

 当科では、慢性腎臓病の進行により腎代替療法が必要となる方、および、現在透析を受けている方に必要な外科手術も行っており、腎不全外科外来にて、ご相談をお受けしています。
 具体的には、血液透析を受けるためのシャント血管の手術 (動脈と静脈をつなぎ合わせる手術)、腹膜透析のためのカテーテルの手術、そして腎移植手術の相談にくわえ、長期透析により二次性副甲状腺機能亢進症となった方に対する副甲状腺摘出手術を、当専門外来が担当しています。(腎移植については、【腎移植外来】の項をご参照ください。)
 慢性腎臓病は、IgA腎症などの慢性糸球体腎炎や遺伝性多発のう胞腎、糖尿病性腎症などにより、徐々に腎機能が低下してしまう状態です。腎機能が10%より少なくなってしまうと、生活を続けることができなくなります。そこで、人工的に腎機能を補う方法として、血液透析と腹膜透析があり、腎機能すべてを回復する方法として腎移植があります。
 血液透析は、血管から血液を取り出して機械で浄化し、また血管に血液を返すことで、体の中の老廃物と余分な水分を取り除きます。そのため、①十分な血流が流れている血管、②(ほとんどの場合は腕の)皮膚からわかりやすい表面近くある血管、かつ、③十分な太さの血管が必要です。しかし、本来私たちの体にはこのような都合の良い血管はなく、手術により腕の静脈と動脈をつなぐことにより、シャント血管(シャント静脈、または単にシャントと呼ばれます)を作成します。そのシャント血管は通常、数週間以上かかって、皮膚からわかるように静脈が太くなることで、血液透析ができるようになります。透析を続けるうちに、この静脈の状態が変化し、狭いところや血栓ができたりした際には、カテーテル治療や手術により治療することがあります。
 腹膜透析は、おなかの外から中に、カテーテルを通して腹膜透析液を入れ、腹膜に網の目のように流れる血管から、老廃物や余分な水分をこの透析液の中に染み出させたのちに、透析液を入れ替えることで、不要物を体から取り除くことができる仕組みです。この腹膜透析のために、感染しにくい仕組みを持つカテーテルを腹腔内(透析液が入るところ)に入れ、しっかり固定する手術が必要となります。また、感染などでカテーテルを取り出す際にも手術が必要となります。
 透析を長く続けることで、副甲状腺という、首の前側、甲状腺の後ろにある、本来は米粒くらいの、副甲状腺ホルモンを作る組織の機能が、異常に亢進(高まること)してしまった状態のことを、二次性(または続発性ともいう)副甲状腺機能亢進症といいます。副甲状腺ホルモンは、リンをお小水に排泄し、骨からカルシウムを血液内に誘導する働きがあります。ですから、腎機能が低下し、お小水が出なくなると、透析を行っても、血液中のリンの値が高くなる時間がどうしても出てくる上に、腎機能の低下とともにビタミンDが減り、カルシウム不足となると、副甲状腺の働きが亢進した状態が続きます。副甲状腺ホルモンの過剰は、骨粗しょう症や動脈硬化を進行させることにつながりますので、現在使われている、ビタミンDや副甲状腺の働きを抑える薬の働きを用いても、副甲状腺が大きくなってその働きを抑えきれない場合には、副甲状腺を手術で摘出する治療が行われます。
 そのほか、腎不全や透析に関連するいろいろなお悩みについても、どうぞお気軽にご相談ください。

前立腺腫瘍外来

◆水曜日 午後 担当医:中澤 龍斗

 前立腺腫瘍外来では前立腺癌の画像精査、ホルモン療法を中心に診療をおこなっております。さらに、前立腺全摘術後の経過観察や化学療法においても当外来で診療を行なっております。
前立腺癌のスクリーニング検査には前立腺特異抗原(PSA)値を測定し、基準値以上であった場合には、入院で前立腺生検をお勧めする場合があります。また画像診断としては前立腺MRI検査を行い、より詳細に病変の局在を認識することが可能となっています。さらに当院の前立腺生検はその詳細なMRI画像と超音波画像を融合して行える前立腺生検機器(3D-Image Fusion 生検)を導入し前立腺癌の見逃し減少や早期発見に力を入れております。癌が前立腺内にとどまっている、限局性の前立腺癌と診断がなされた場合は、内視鏡補助下小切開(7cm 長の1箇所の創)による前立腺全摘除術、もしくは放射線治療をご希望された場合は強度変調放射線治療(IMRT)を放射線科治療部と相談し進めて参ります。
進行癌に対してはホルモン療法が主体となりますが、原則前立腺癌の薬物療法は外来で施行が可能です。また、ホルモン療法に抵抗性となった前立腺癌に対する新規薬剤も積極的に導入しております。抗がん剤に関しては初回投与時に入院で管理する場合もありますが、基本的には外来で投与を行なって参ります。さらに前立腺癌は骨転移を来すことが多く、骨転移に対するラジウム製剤の内用療法も放射線科治療部と協力し行なっております。
以上のように当科では前立腺癌治療の充実はもとより正確な診断も求められていると考えており、それに応えるため前述の治療ならびに新診断法を導入し前立腺癌の診断、加療に力を入れております。
前立腺癌は本邦では高齢化社会に伴い増加している癌種であります。そして、治療の選択肢も多くあり、ご年齢、進行度によって勧められる検査、治療も異なり患者様が迷われることも多いかと思われます。前立腺癌に関してご質問、お悩みなどございましたら、どうぞお気軽に相談ください。

前立腺がん診断の最新技術を導入しました

腎腫瘍外来

 腎腫瘍外来では、腎細胞癌の診療を主に行っております。基本的に腎細胞癌は抗癌剤・放射線が効きにくく、主な治療法は手術と薬物治療になります。手術は長らく癌のある腎臓を丸ごと切除する腎摘除術が行われてきました。一方で、近年、画像診断の進歩と検診などの予防医学の普及により、腎細胞癌は早期の状態いわゆる大きさが小さい状態でみつかることが増えてきました。このような小径腎癌に対しては、腎細胞癌とその周囲の腎臓を一部切除する腎部分切除術が行われるようになってきました。従来のこの手術法では、腎臓の一部を切除する間、出血を抑えるために腎臓への血流を短時間遮断して行われてきました。しかしながら、短時間とはいえ血流が遮断されることで残った腎臓の機能も多少は落ちてしまいます。そこで当院では、適応となる患者さんには、可能な限り腎機能を温存するために血流を遮断しない無阻血無縫合で行う手術法を積極的に行っております。
 腎細胞癌の薬物治療は、主に転移を伴った癌に対して行いますが、時に手術で切除する前に癌の大きさを小さくすることを目的に使用されることもあります。腎細胞癌の薬物治療には、サイトカイン療法、分子標的薬治療、そして免疫チェックポイント阻害薬治療があります。腎細胞癌のリスクによって治療薬は決まります。分子標的薬には内服薬と注射薬があり、サイトカイン療法と免疫チェックポイント阻害薬はいずれも注射になります。治療の導入の際には入院して経過を見ることもありますが、基本的には外来通院での治療が可能です。ただし、これらの薬は種類により様々な副作用が存在し、特に免疫療法の一つである免疫チェックポイント阻害薬は重篤な副作用の発症が心配されます。きちんとした副作用管理が必要となりますので、当外来ではその管理に努めています。治療に際してはしっかりとこれらを理解し、定期的に外来への通院・検査を行うようにしてください。
 腎細胞癌は近年の薬物治療の大きな発展により、以前は治療困難であった状態からも根治をめざすことが可能となってきました。しかしながら一方で、薬物療法の複雑化により適切な治療薬の選定や副作用の対応など、より専門性が求められるようになってきています。以上より、当外来では腎細胞癌に特化し、診断から手術そして必要であれば薬物治療まで一貫して行っております。